TOP > 代々木忠の本より
代々木忠プロフィール
SEXとオナニーの境界線
SEXとオナニーは違う。だがそれは、2人でするか、1人でするか、といった人数の問題ではない。
男が女に挿入し、ピストン運動するのがSEXだと思っている人がいるかもしれない。しかし、摩擦による性器の快感を味わっているだけでは、相手はまるでダッチワイフか、張形か、手の代わりでしかないだろう。性器の快感のみで自己完結していたら、それはあたかもお互いがお互いの体を使ってオナニーをしているようなものなのだ。
「ペニスが大きい」とか「小さい」とか、「締まりがいい」とか「悪い」とかいう言葉をよく耳にするが、性器にこだわっているかぎり、SEXはオナニーのままなのである。
最近は、そんなオナニーのようなSEXが増えているのではないだろうか。性器の快感は刺激にすぎないから、何回か続けば必ず飽きてしまう。最初は頻繁にしていても、1週間に1回になり、1カ月に1回になり、やがてはしなくなるか、別の相手を求めるようになってしまうだろう。
私はこれまで数多くの作品の中で、女性のオナニーを撮ってきた。ある女子大生は、私の前で自分のアソコにコーラのビンを突き立ててヨガッてくれた。
女性たちがオナニーをしているとき、私は相手の目を見ながら、そのときどきで感じたことをありのまま話し、彼女たちも自分を偽ろうとはせずにそれに応えてくれた。その間、私のペニスは勃起し、パンツの中はベトベトになった。
体こそ触れ合わなかったけれど、あのとき私は、彼女たちとSEXをしていたのではないかと思う。
『色即是空』より