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代々木忠プロフィール
信じるということ
最近、上の娘は学校で生じるいろいろな心配事や悩みを私に打ち明けに来る。私は娘と一緒になって考える。ここでは名回答が必要なのではない。子供と一緒になって一生懸命考えることが大切なのだ。
「この頃、同じ学年で、髪を染める子たちがいる。本当は友達になりたくないんだけど、仲間に入らないと、いじめに遭うかなぁ……」
私は自分の中学校の頃を思い出しながら娘に言う。
「彼女たちを否定しないで、彼女たちの生き方を認めてあげなさい。否定したら、やはり向こうはいじめに来るよ。あんまり優等生にはならないで、彼女たちと話をし、友達になってごらんよ」
そう言いながら心の中では、もし娘が髪を赤く染めてその子たちとコンビニの前で溜まっていてもいいと思っていた。彼女たちとつきあってみるのもいい。そこから娘はきっと何かを学ぶだろう。
数週間後、娘が報告に来た。
「お父さん、正解だよ。お父さん、すごいよ」
娘によれば、自分のテニスの試合に彼女たちが応援に来てくれたというのだ。
でも、娘が髪を赤くしてコンビニの前にいるかといえば、いないのである。
これは親と子の関係に限らない。あなたの意見に影響される人々を、あなたは本当に信用しているだろうか。彼らの行動を規制したり禁止したりしてはいないだろうか。彼らのことを信じ、あなたが自分をさらけ出すことができた時、彼らは多くのことをあなたに教えてくれるはずである。
『オープン・ハート』より