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代々木忠プロフィール

甘えることが愛である

 男のプライドって何だろう。しょせんは薄っぺらなものなのではないだろうか。表現は悪いが、夜中に強盗が入ってきて、縛り上げられて、命を奪(と)られそうな場面になったら、土下座して「助けてください」って泣き叫ぶくらいのものなのである。人はその場で三べん回ってワンとだって言ってしまうのだ。そんなプライドを、なぜ後生大事にしていかなければならないのだろうか。SEXにプライドはいらない。

 

 だからSEXにおけるオーガズムの方法としては、たとえば、しゃぶってほしかったら、まず男のほうから「フェラチオして」と頼むことである。そこで「いやよ」と言われたら、「なんだ、それ。じゃあいいよ」と、すぐになってはいないか、一回よく考えてみるといい。

 

 自分の彼女であり、場合によっては妻なのだから、ツッパッてみたところでしかたがないではないか。そのとき、もう一度子供になって「そんなこと言わないで、してっ」と甘えてみるべきだ。「だって、私、するばっかりだもん」と言われても、「あした、オレするから、きょうはやってよ」と、とことん甘えてみてほしい。

 

 その甘える心が、ちょっと欠けてはいないだろうか。甘えることで自分のプライドが傷つくと、どこかで思ってはいないだろうか。その甘える気持ちが、実は愛なのである。心に豊かさがなければ、人は甘えることなどできない。

 

 これは女の側にも言えることだ。日ごろ、ちょっとしたことで言い合いになったり、恋人でも夫婦でも、お互いにツッパッている部分がある。それがわだかまりとして残っていないカップルはいない。

 

 そこで、一つ甘えてみる。もう一つ甘えてみる。さらに甘えてみる。たくさん甘えてみる。それが愛なのである。変なプライドに引っかかっていたら、甘えることなどできないのだから……。

 

『プラトニック・アニマル』より


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