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甘い蜜の日の裏側で


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 「ソファに押し倒して、襲って」

 今日のシチュエーションを彼に伝える。荒々しく扱えば濡れるのを知っているから、言われるままにわたしを小さなソファに押し倒す。マフラーも巻いたまま、彼の手がスカートとその奥に入ってくる。今日はしっかり濡れている。だいじょうぶ。彼をうけいれられそう。

 

 付き合い出して2年。数カ月前から、彼のものが入らない。ベッドで見つめ合って始めるようなセックスができない。気持ちよくなっても、いざとなるとだめ。なんとかしたくて、状況プレイを考えた。けれど、濡れるとは限らない。濡れなければまた痛い。

 出会ったころのように、彼の手に触れるだけで濡れる時期は終わってしまった。とろけるような時が、今では信じられない。肌を合わせても体は正直。好きだけど、痛くて痛くてどうしてもできなくなってしまう。

 

 彼といて、一緒に眠る気持ち良さを初めて知った。独りでないと眠れなかった日々が嘘のよう。彼の寝息はわたしの安眠のリズム。生理の1週間を除き、ほとんど毎晩彼の体に甘える。何度も。出勤前の朝も。

 思い出すと懐かしくなる甘い蜜の日々。でも実際は少し無理があったみたい。残業で深夜にやってきた彼に、むりやり起こされて挿入される痛み。日に3回も入る痛み。そんな日が続いた数カ月後。わたしの体が変わってしまった。

 

 会えば求められる。拒めば彼が不審がる。

 痛いだけなのに、1年前には考えられないような、ボタンのかけ違いが始まった。濡れていないだけなのに。

 

 彼とのセックスが負担だった。つらかった。

 そんなとき、まったくタイプの違う男性と会う。頑丈な筋肉質の彼とは正反対の細身の色白。二人だけでご飯を食べに行ったのは、ほんの成り行き。でも、彼とは違う何かを感じる。

 2年付き合った彼とは別れることにした。

 別れを告げた日の午後、わたしはひとり涙をぼろぼろこぼしていた。悲しいと感じる間もなく、わからないまま、涙が流れる。泣こうと思ってないのに。涙が止まらない。

 彼との別れを切り出したことは、取り返しのつかないことだったのかもしれない。そんな予感がかすめる。大好きだったのに。

 

 色白の男性とは間もなく付き合うことになる。だけど、3カ月付き合ったところで、別れた。

 

 わたしの後悔は、前の彼との別れ。そんな思いが今も消えない。



初めて出来た彼

自信のない私を変えてくれたもの