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女性に読んでほしいコラム


第73章 平成の博愛主義

 今回は「ザ・面接2015」に登場するひとりの女の子にスポットをあててみる。彼女は24歳。顔も可愛いし、B86-W58-H84とスタイルもいい。

 面接官は森くんと爽紫郎。「きょうはちょっと揉ましてくれ!」と隊長が言えば、「ぜひ!」と明るい返事。揉まれながらも、彼氏やセフレについて訊かれれば、「彼氏はセックスレスです」「セフレは今よく発動しているのが3人です」と従順に答える。大股開きさせられて指を入れられれば「もっと奥まで入れてください」。クンニされて高まってくれば「みんな、イッてる姿見てください」。

 森くんとのセックスは気持ちよかったようで、終わってもそのまま抱き合っていた。「入ってるだけで気持ちいい」と彼女。「何か芽生えたか?」と隊長に訊かれて「ちょっと好きになった」と言う。「ちょっと」というのがビミョーだが、森くんにしても悪い気はしないだろう。

 だが、次に爽紫郎とやってみたいかと訊かれると、彼女はコクンとうなずく。じゃあ、森くんの立場は……と周囲が息をひそめていると、「森さん、見といてください」と悪びれることなく微笑む。「それ、ないでぇ!」と隊長。

 爽紫郎とのセックスが始まろうというとき、森くんが「好きなの、誰?」と訊けば「森さんです!」。それを聞いた隊長は「おまえとは結婚せんからな」。爽紫郎にしても心境は複雑だ。フェラされて芯が入ると「あ、やっと勃った」と彼女は上に跨るものの持続はせず、ウルフと交代に……。

 ウルフの巨根をしゃぶると「太! え? デカ!」。自ら大股開きして指を突っ込み、中を広げて、「あ、入るかも」……。

 彼女の体験人数は100人以上、200人未満。ずいぶん幅があるのは、数えていないからだそうだ。「なんでそんなにするの?」と訊いたら、「温もりが欲しくて……」という言葉がこぼれた。

 ビデオを撮る側としては、彼女は面白い。意表を突くようなことを言うし、アッケラカンとしている。「ちょっと好きになった」と言った舌の根も乾かぬうちに「森さん、見といてください!」と言ってみたり、他の男としている最中に「(好きなのは)森さんです!」と言ってみたり。

 それは何ものにも縛られていないように見える。誰かひとりを選ぶことによって、それ以外のすべてを諦めるなんてナンセンスだと言わんばかりに。私は誰のものでもない。みんなを愛し、みんなからも愛されたい。そんな子が近ごろ増えてきたような気がする。

 最後に彼女が洩らした「温もりが欲しくて」は、おそらく本音だろう。彼氏とはセックスレス。何年つきあっているのか訊かなかったが、24という年齢からも、もう家族みたいな間柄で……というのではないはずだ。セフレは今よく発動しているのが3人。よく発動していないセフレも数えれば何人になるのかわからない。

 また、彼女は毎日オナニーしている。ヒマな日は10回以上することもあり、買い物に出かけたとき、ムラムラしてきて駅やデパートのトイレに入ってすることもあるそうだ。そういう外出先でのオナニーが全体の30~40パーセントを占めるという。

 満たされないものをセックスやオナニーに求めている。そこが今、彼女にとっての居場所ではないのか。しかし、やってもやっても埋まらないのだろう。温もりの求め方を、彼女自身が本当はわかっていないように僕には見える。

 ただし、彼女の行為を否定するつもりでこの文章を書いているのではない。現場でもそうだったが、編集しながらあらためて彼女を見ていると、ある種の心地よさまで僕は感じていた。隊長じゃないが、女房にはしたくないタイプかもしれないけれど、憎めないのである。

 彼女には屈託がない。昭和脳の女性だったら、たぶん自分を責めている。でも、彼女にはきっと罪の意識などないのだ。ひと昔前なら「将来のことを考えないと!」と言われそうな子だが、40になっても、60になっても、言い寄ってくる男はいるだろうし、彼女さえその気なら今と同様に人生は続いていくだろう。80近くになっても、「週2回しないとオレは頭がおかしくなる」と言った僕の友人のようなケースだってあるわけだから。

 「ザ・面接」には、その時代時代のセックス観が映っている。それはひとつ所にはとどまらず、つねに形を変えてゆく。セックスとはこういうものだという固定観念にとらわれていると、いつしか真理が見えなくなってしまう。平成が終わり次の世になったときは、なおさらである。