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女性に読んでほしいコラム


第71章 結婚というお仕事?

 少子高齢化は今や地球的規模で進んでいる。先進諸国が頭を抱える問題だ。たとえばデンマークでは、妊娠にネガティブだった性教育を「避妊の方法」から「妊娠の方法」へとポジティブに転換することで、一定の成果を上げていると聞く。出生率を上げるためにはセックスしないと始まらないが、セックスレスは先進国の中でもとりわけ日本が深刻である。

 昔は強さとかオスの匂いが女を惹きつけたものだ。今はいくら稼げているかだという。男の側も経済力が生きる力の源泉になっているフシがある。僕自身、丸ごと肯定はできないものの、格差社会の現在、非正規雇用の人々が自分に自信が持てず、恋愛や結婚に二の足を踏むというのは、きっとそうなんだろうなぁとも思う。男の草食化やセックス離れの一因として男性ホルモンの話をしてきた。しかし、ここにも大きな原因があるのは否めない。

 そんななか、思わずのけぞってしまうような記事を読んだ。ダイヤモンド・オンラインというサイトに載った〈結婚はビジネス、夫は金ヅル!「プロ妻」の豪胆〉という記事だ(執筆/秋山謙一郎[フリージャーナリスト])。〈結婚に愛情は不要。夫=企業と見立てて、優良企業(夫)への入社(結婚)に余念がない「プロ妻」が増えている〉という書き出しで記事は始まる。

 「プロ妻」としての婚活に励むミサキさん(24歳)という女性があげた結婚相手の条件は、〈旧帝国大学もしくは、それに準じる国立大学、早稲田・慶応クラスの大卒以上の学歴で公務員、または一部上場企業勤務〉〈親が無借金企業の経営者、または医師、弁護士といった職業に就いている、もしくは遺産を残して死亡している〉〈係累がなく、親戚づきあいの必要がない〉。彼女のような結婚観は極端なケースには違いないが、結婚条件の1つ目を見ただけでも、契約社員や派遣社員、アルバイトではとうてい太刀打ちできないのがわかる。

 ここまで読んで、「じゃあ、いったい自分はどんだけのもんじゃい!」と言いたくなる人もいるだろうが、記事によれば、優良企業(夫)に入社(結婚)すべく、「容姿」もさることながら「聞く・話す」「料理」「ベッド」と彼女は自分磨きに全力を投じているという。

 また、記事にはもっと凄腕の「プロ妻」も登場する。歯科医師、外資系金融機関社員、一部上場企業社員、弁護士と結婚をくり返してきたヨシコさん(45歳)は、2~3年で夫から離婚を言い出すように仕向け、離婚の慰謝料をキッチリ取っている。彼女に言わせれば、これは会社都合の退職金なのだ。

 先ほども書いたが、彼女たちは極端な例だと思う。思うけれど、物事を合理的に突き詰めていけば、このような結婚観を持った女性がこれから増えてきてもおかしくはないだろう。

 1980年代から90年代初頭にかけて、男を癒し、ときには追い込み、そして解放し、育てた女たちがいた。「密教昇天の極意」の栗原早記しかり、「淫女隊」の渡辺美乃しかり、同じく新田利恵しかり。けれども、彼女たちもとつぜん母性が開花したわけではない。

 セックスで本当のオーガズムを体験したときに見えてくるものがあるのだ。今回の記事を読んだとき、今の男優で、いったい誰だったら「プロ妻」たちを変えられるだろうと考えてみた。結果は……いないのである。もちろん目合(まぐわい)をわかっている男優は少なからずいるのだが、売れっ子たちはスケジュールも詰まり、とかく仕事になってしまっている。

 かつて太賀麻郎は「恋愛ゲーム」においても「恋人」においても仕事と私生活の垣根を越えた。だが垣根を越えなければ、できないことがある。「お固い女性がビデオに出る理由 一度でいいから知らない人と」でチョコボール向井は、性に対して嫌悪感や偏見が根強かった新田利恵と丸1日かけて向き合い、その圧倒的なパワーで打ち抜いた。その後、新田が男たちを癒す存在になったのは先述のとおりである。「胎内宇宙」で日比野達郎は、男性不信に陥り、「信じられるのは自分自身とお金しかない」と言う姫ゆりに究極のオーガズムを体験させた。肩の力が抜けたまるで自分は無の状態にあるかのような淡々としたセックスで。

 もしもあの時間と余裕とエネルギーがあれば、変えることができるかもしれないのだが……。