女性に読んでほしいコラム


第62章 電マ女子

 「第61章 スマホに電マ」で書いた女の子(19歳)のその後である。彼女には「ザ・面接VOL.150」のエキストラとして出演してもらった。いったいどんな子なのか、彼女の紹介シーンを書き抜いてみる。

 市原「なんかエッチな雰囲気ですよね」
 彼女「……」
 市原「スケベやろ?」
 彼女「電マが好きです」
 市原「なにっ!? ……どれくらい好きなん?」
 彼女「4歳からやっちょるけん」
 市原「なに?」
 彼女「4歳からしちょったけん」
 市原「4歳からどこ行ってん?」
 彼女「たぶん電マのプロやと思うちょります」

 いきなり話が噛み合っていない。この天然ぶりと純朴さが彼女なのだが、それは後ほどまた書くとして、まずはなぜ彼女をキャスティングしたかである。4歳からオナニーしている子は珍しくないけれど、4歳から電マというのは、僕も初めてだ。なので、正直お手上げなのである。にもかかわらず仕込みのエキストラに抜擢したのは、電マ女子がセックスで一体感を、そしてそこから来る歓びを共有してくれたらいいのになぁという淡い期待からだった。

 事前面接でイクために大切なことは全部伝えた。あとは出たとこ勝負だ。彼女には深い闇を感じる。けれども、話しているだけで癒される。エキストラなんだし、それで充分じゃないか。今どき地方出身の子でも標準語に近いしゃべりをする。なのに彼女は方言が抜けない。話しかけられてもすぐに返事をしなかったり、ぜんぜん違う答えを返してきたり……。最初はみんなも彼女をちょっと小馬鹿にしているところがあったかもしれない。しかしである、時が経つにつれて軍団も他のエキストラも、彼女の、言うなれば存在そのものに癒されていったのだ。

 では、肝心のセックスのほうはどうだったのか? 彼女には森くんが行った。挿入後しばらくは、自分でクリをさわっていた彼女。オチンチンよりもクリへの刺激が欲しいのだ。ふだんのセックスならば、ここで電マを当てていることだろう。森くんは体位を変えながら、彼女を自分のほうに向き合わせようとしている。体位を変えることで、できあがっているはずの〈いつものパターン〉は壊れてしまう。電マに慣れた子を物理的な刺激でイカせようなんて彼は端から考えていない。

 ファインダーを覗いていて、途中、彼女にヤマが来たのがわかった。「イキそう!」そのとき何が起こっていたのかは、のちに彼女の言葉で明らかになる。セックスが終わったあと、森くんに「締まりました?」「中どうでした?」と訊く彼女。森くんは「セックスって、そういうことじゃなくて……」と諭すのだが、この話が一段落してカメラを止め、雑談しているときに彼女は言った。「締めるのやめたら、いきなり来たんよね」。

 そういうことだったのか……と僕は思った。彼女はセックスの最中、自分のアソコを締めていた。それは思考がずっと主導権を握っていたということである。ヤマが来たのが見えたときが、彼女が締めるのをやめたときだ。つまり、思考から解放されて、それまで起きていた快感の波を丸ごと受けた。

 なぜ締めるのをやめたのだろう。彼女はこんなふうに言っている。「今まで自分より先にイク人としかやらんかったけん」。これまでの相手だったら最後まで締めおおせたものの、森くんとの場合はそれが続かなかったということだ。だが、それは単に時間の問題でもないだろう。

「電マでイクときと似ちょった」。“電マのプロ”は今回のセックスをそうしめくくった。