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女性に読んでほしいコラム


第61章 スマホに電マ

 目合(まぐわい)の大切さを言いつづけてきたけれど、目を見るといってもいろいろある。たとえば冷めた目で見たら逆効果だ。かつてくり返しレイプに遭う女の子に僕はこんなことを言った。「万いち今度レイプに遭ったら、抵抗しないで冷めた目で相手をじっと見てごらん。そうしたら男は萎(しぼ)むから」。

 僕の本やブログ、そしてこのコラムを読んでくれた人が目を見る大切さに気づき、セックスで実行したとしても、思考の指示によって見ていたら男は中折れしてしまうだろう。相手の目を「見よう」ではなく「見たい」。だからこそ、目と目で気持ちと気持ちが向き合う。そのとき初めて一体感から来る歓びを共有できる。それはオナニーで得られる快の比ではない。

 しかし、目合の重要性をいくら説いても、どうにもならない状況が横たわっている。その筆頭が「スマホに電マ」である。スマホでエッチな動画を見ながら電マでクリを刺激するオナニーが、女性たちの間で流行っている。「クリ派と膣派」、「外派と中派」というのが、もう当たり前になっているのだ。

 以前面接した19歳の女の子は、保育園のころ親の按摩器を股間に当てたら気持ちよくて、それから毎日していたという。小学校低学年のとき親にバレて按摩器を隠されてしまうものの、泣きながら探して見つけ出し、オナニーしていたというから凄い。学校が終わると友達とも遊ばず、まっすぐ家に帰って2時間はしていたそうだ。ヒマな日なら半日近くも……。

 保育園や幼稚園のころからオナニーを覚える女の子は少なくない。だが、機械による強い刺激に慣れてしまったら、人の愛撫では物足りなくなる。面接した彼女は今も電マでオナニーしている。セックスも中ではイケないが、クリでならイケるそうだ。こういう子に目合を伝えるのはなかなか難しい。

 では、男のほうはどうか。今やオナホールがいろいろ売られている。女性の膣内を模したオナニー道具である。僕は試したことがないけれど、そこに需要があればどんどん精巧になっていくに違いない。見たい部分が見られるVRゴーグルをつけ電動オナホールに突っ込めば、自分は何もしなくていい。人工知能がさらに進化すれば、男が望むリアクションを体現してくれるダッチワイフもできるだろう。

 快を得るための電マ。快を得るためのオナホール。手っ取り早く快を得たい人にとっては、好きとか嫌いとか、人間同士のぬくもり云々は邪魔くさいだけなのかもしれない。「私は外派だから」「充分満足してるから」と言われれば、「満足してるんだったらOKだよ」と言うしかない。

 「クリではイケるんですが、中でイッたことがありません。どうしたらイケるんですか?」と訊かれればいろいろ説明のしようもあるが、今はそうじゃない子が増えている。快を求めるだけなら、セックスしなくても事足りてしまうのだから……。

 「みんなに知ってほしい」という気持ちで、このコラムも続けている。けれども、「いらぬお世話かなぁ」という思いもずっと消えないままなのである。