女性に読んでほしいコラム


第54章 水平目線

 「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ20」では、「ザ・面接VOL.145」に出た3人の女の子をキャスティングした。そのうちの1人が前章「平成生まれのセックス観2」で書いた子である。彼女が25歳、ほかの2人は28歳と30歳。ほぼ同世代だ。

 

 編集で割愛した部分だが、3人がそろったところで僕は彼女たちにインタビューを試みた。3人とも「ザ・面接」の同じ回に出ているから、面接軍団のなかで「今、誰と一番してみたいか?」と。彼女たちがあげたのは、佐川銀次と森林原人だった。

 

 面接軍団にあってよく「親子」と言われる2人だが、彼らが選ばれたのは十中八九顔ではない。2人はオチンチンが大きいけれど、おそらくそれが第一の理由でもないだろう。

 

 というのも、1人の子は銀ちゃんを評して「目がきれい」と言う。これまでの「ザ・面接」の現場でも、銀ちゃんの目を褒める子は多い。すかさず軍団からは「この目のどこがきれいなんだよ!」とか「濁っとるわい!」とか、ボロクソに言われるのだが、もちろんそれは眼球そのものがどうこうという話ではない。

 

 銀ちゃんは必ず女の子の目を見てセックスする。それは相手の感情と共鳴する術でもある。観察されているわけではなく、もちろん見下されているわけでもない、つながりたいという目。そんな目を女の子たちは「きれい」とか「かわいい」と表現する。

 

 目を見てするのは森くんも同様だが、若いだけに彼はオスとしてのパワーも併せ持っている。彼は今「女子SPA!」というサイトで「性活相談」を担当している。僕も読んでいて「なるほどなぁ」と思わず感心する。現場でじかに女性とふれ合っているからこそ、ここまでわかるんだろうなぁと。

 

 そんな彼も、このまま男優を続けていくのか別の道を歩むのか、迷っていた時期があった。「ザ・面接」に出た初期の頃だ。いつまでも続けられる職業じゃないし……と考えていたのかもしれない。実際、途中で消えていった先輩たちをたくさん見てきたことだろう。

 

 もちろん現場で見る今の森くんに迷いは微塵も感じない。彼は女の子と接するとき、上から目線でもなければ、下から目線でもない。セックスが始まれば相手次第で攻めも受けもできるけれど、最初は必ず水平目線で、彼は女の子に向き合っていく。相手を見下すことなく、かといって媚を売ったりもしないニュートラルな目線でなければ、本来、人と人は向き合えないのである。

 

 けれども、相手もニュートラルかといえば、そうとは限らない。「ザ・面接」の20周年版を編集していると、森くんや銀ちゃんが相手だとわかった途端、あからさまに失望を顔に出す子がいるのが見て取れる。彼らはこれまで何千人という女性を相手にしてきて、そんな屈辱的な思いも少なからず味わってきたはずだ。

 

 でも、彼らは「オレはそこで勝負してねえんだよ」と前を向く。セックスでは人間性が反映される。萎えず、腐らず、偽らず、素の自分を出せたときに、伝わる相手にはそれが伝わる。もちろん伝わらない子もなかにはいるけれど。

 

 冒頭で書いた3人の女の子は全員が「ザ・面接」で銀ちゃんや森くんとセックスしたわけではない。でも、見ていただけで「抱かれたい」と思わせてしまう魅力を彼らは確かに発していたのである。