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第5章 相手への不満をどう処理したらいいのか?

 人と人が一緒にいれば、お互いの考えや思いに差が生じる。まったくの他人同士なら多少の我慢もできるだろうが、恋愛している二人は、どちらも「自分のことをわかってほしい」という思いがあるので、「ま、いいか」ではなかなか済まない。

 これまでにも書いてきたが、恋愛とは「思考」ではなく、「感情」が主人公だから、頭ではわかっているけど、気持ちが治まらないというのは、あって当然ともいえる。そこで今回は、自分の「感情」とのつきあい方である。

 僕たち夫婦はどちらも感情系人間なので、これまでよく衝突した。あまり人様に話すことでもないが、衝突すると凄まじい。そのなかで、あとからふり返ると不思議なことがある。

 「なぜオレはあんなにも腹が立ったのだろう?」という素朴にして根本的な疑問だ。女房のリアクションが気に食わなくて、ますます火に油を注いだというのは確かにある。また、ネガティブになっていたから、僕の心が柔軟性を欠き、頑(かたく)なになっていたというのもあるだろう。

 でも、それにしてもなぁ……と冷静に戻った僕は思う。もっと違う、何か他の原因がありそうだと。

 あるとき夫婦喧嘩で、女房が一緒になった頃の話を引き合いに出して「あんた、あのとき、こう言った」と訴えたことがあった。もう何十年も前の話だ。喧嘩の最中は激していたのでさほど気にも留めなかったけれど、よくよく考えれば変だ。なんで今さら、そんな話をするんだろう?

 そこで、ひとつの仮説を立ててみた。それは「過去に溜め込んだ感情は、ふだんは忘れていても、何かのキッカケによって、同種の感情が一緒に出てくる」というもの。この場合の感情とは怒りだけとは限らない。ネガティブな感情全般である。これを〈仮説1〉とする。

 夫婦喧嘩に限らず、自分の感情を抑えるのが苦手な僕はケーススタディには事欠かず、その後、〈仮説1〉を〈仮説2〉へと進化させたのだった。

 それは「『誰に向けての感情か』というときの『誰に』はやがて消えて、感情そのものだけが蓄積されてゆく」というものだ。つまり、先ほどの女房の例では「僕」という対象が残っていたけれど、怒りとか悲しみという感情がフタをしたはずの心の底から湧き出てくる場合、過去のそれが必ずしも今、目の前にいる相手と同じ人物とは限らないということである。

 この〈仮説2〉を実証したのは撮影現場だった。現場で女の子に催淫テープや催淫CDを聴かせたとき、泣き出す子がけっこうな数にのぼった。なかには泣きながら何かを叫んだり、獣のような声をあげたり……。

 催淫テープを聴く際、彼女たちに悲しいことはなにもないはずだ。もちろん僕が泣かしているわけでもない。にもかかわらず、催淫テープによってトランス誘導を行なったとき、心のフタがあいて、そこに閉じ込めていた悲しみという感情が次から次へと溢れ出してくるのである。

 そこで結論なのだが、夫婦や恋人同士で相手に対してネガティブな感情を抱いたときには、オトナのフリをして飲み込むのではなく、火種が小さいうちにその場で出して、衝突するのならしたほうがいいと思う。

 そうしないと、たとえそのときは飲み込めたと思っていても、実はせっせと溜め込んでいるだけで、いつか大爆発が起きる。しかも、そのときは前述のように、過去に溜め込んだ同種の感情が、たとえ相手は違っていようとも、一緒になって止めどなく噴出する可能性がある。相手も同じように溜め込んでいれば、お互いが大噴火なのだ。

 感情は、たとえ自分のものでも、なかなか思うに任せない。だから厄介ではあるけれど、ポジティブになれば、この感情こそがもろもろの問題を瞬時に解決し、あなたを幸福へと導いてくれるわけだから、ぜひうまくつきあっていただきたい。