TOP女性に読んでほしいコラム > あなたは中派? 外派?

女性に読んでほしいコラム


第16章 あなたは中派? 外派?

 事前面接の際、「セックスでイッたことはあるの?」と訊くと、「ある」と言い切る子は少ないものの、「中はないですけど、クリトリスでなら……」と答える子はそれなりの数いる。「ああ、クリトリスならイケるんだね」「ええ、私、外派なんですよぉ~」

 

 ソトハ? 初めて聞いたとき「なんのこっちゃ?」と思ったが、アダルト誌のみならず最近では女性誌でも、そういうネーミングがされているみたいだ。挿入でイケるのが「中派」(中イキ、膣イキとも)。クリトリスでイケるのが「外派」(外イキ、クリイキとも)なのだと。だから、女の子たちは、まるで血液型を訊かれたみたいなノリで「私は外派なの~」ってあっけらかんと答える。

 

 え? 違うぜ、それは……と僕は思う。血液型はタイプの分類だから、そこに優劣はないし、何かが成熟するとA型がB型になるなんてこともない。だが「外派」は、自分を明け渡すべきセックスで、社会性を落とせない子なのだ。本当の自分が出せないから相手とは真につながれず、自らの性感帯を刺激して快楽を得る。いうなれば自己完結である。

 

 では、相手とつながれない原因は、どこにあるのだろう?

 

 僕がこれまで出会った「外派」の多くに共通しているのは、小さい頃から親の愛情を充分に受けていないという点である。もともと本能は快を求めるが、まだ自分ではなにもできない乳幼児期、親の愛情こそが快である。時間の経過とともに再び欲求(不快)が生じ、それがまた愛情によって快へと変わる。このように不快と快のくり返しで、本能は少しずつ成熟してゆく。

 

成熟していけば、「本能」は「愛」へ、そして「母性」へと開花してゆくけれど、その手前で止まってしまえば「愛」はない。すると、なかなか人のぬくもりを感じ取ることが難しくなる。

 

 SMじゃないと感じないという子は、この傾向がさらに顕著だ。以前、面接したある女性は、幼児期にお父さんからアバラが折れるほど、毎日のように蹴られたという。父親に絶対服従という環境で育った彼女は、やはり極度のMだった。今、彼とのセックスにおいても「咥えろ!」と命令されれば、自然と体が動く。ところが、やさしくされて、同じ目線で向き合われると、どう対応していいのかがわからない。

 

 では、命令と服従の関係でこそあれ、それはそれで相手とつながっているのかといえば、つながってはいない。汚い言葉を浴びせられ、苦痛を伴う命令に服従している自分に陶酔しているにすぎない。Sもまたしかり。つまり、SMにおけるパートナーは、互いに自分の刺激を喚起するための道具でしかなく、SもMも自己完結なのである。

 

 親から充分な愛情を与えられなかったのは、なにも本人の責任ではない。時間を遡ることはできないが、では将来にわたって「外派」は「中派」にはなれないのかといえば、もちろんなれる。それについては、また別の機会に記そうと思う。