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女性に読んでほしいコラム


第10章 ひと目でわかる、よいSEX・わるいSEX

 仕事柄、僕はセックスしているところを見れば、それがよいセックスなのか、そうでもないのかがわかる。女性のなかにはAVを見たことがない人もいるだろう。ところが、そんな人でも、セックスの良し悪しを簡単に見分けられるポイントがある。今回はそれを紹介しよう。自分のセックスがどちらなのかを、思い返してもらえたらありがたい。

 

 まずは撮影現場のエピソードから。「ザ・面接」という作品では、女の子たちの面接が終わったあと、それまで目の前でチェックしていた女性審査員が思わず欲情してしまい、面接官の男優としてしまうケースがよくある。ショットバーを経営しているれみ(35歳)も、イケメン男優の一徹とセックスを始めた。

 

 終始、れみが主導権を握ったまま、一徹をリードしてゆく。その動きにはいっさい無駄がなく、見せる技は芸術的に美しい。正直言って、僕も久しぶりに撮らされたという感じだった。一徹を平らげたあと、彼女は「ザ・面接」初出演の男優・二村からも一滴残らず搾り取る。

 

 れみのセックスはかくも凄いのだが、そこには一点の感情も垣間見られなかったのだ。たとえば、それが表われているのが、彼女の「可愛い!」という言葉である。年下でイケメンの一徹としているときに、彼女は「可愛い!」を連発する。

 

 しかし、ただの一度も一徹を見て言うことはない。「濡れちゃう!」も「気持ちいい!」も、目を見ないばかりか、顔自体が違う方向を向いている。これは相手に届けたい思いではなく、自分で言って自分に聞かせたい言葉だからだ。彼女は自分の発した言葉によって、さらに興奮の度を高めてゆく。

 

 また2人目の二村とした際、フィニッシュは二村が下、つまり騎乗位でイカされるのだが、二村の上半身が彼女に近づこうと起き上がりかけたとき、れみの上半身は後ろに倒れるように離れていく。言葉と同様に、この体の動きも自己完結を表している。

 

 アダルトビデオやポルノ映画の濡れ場では、たとえば正常位で女性が高まってきたとき、押し寄せる快感に苦しそうな表情を浮かべ、手は力いっぱいシーツをつかみ、上半身をのけ反らせるシーンをよく見かける。これは“見せるセックス”というか、形にこだわった演出だが、これでは先ほどの騎乗位と同様に、のけ反るほど女性の顔はどんどん離れていってしまう。

 

 はっきり言って、これらはわるいセックスの形なのである。

 

 もうひとつ「ようこそ催淫(アブナイ)世界へ」という作品からもエピソードを紹介しよう。割烹料理店に勤める美沙(22歳)の出演動機は「セックスのよさがよくわからない。AVに出れば何かつかめるのではないか」というものだった。彼女の初体験は15歳で、男性体験は1人。その彼とも2年前に別れている。

 

 唯一の男である元カレと5年続いたセックスについて聞いて、僕は驚いた。目隠し、緊縛、ムチ、ロウソク、アナル……なのだそうだ。これではセックスというより虐待である。さらに聞けば、人間嫌いだという。人と深くつきあいたくないとも。自分の気持ちや感情を表現することが苦手なようだ。

 

 美沙を呼吸法でトランスに誘導した。そこで目を見ると、彼女はしっかりこちらを見る。でも感じてくると「おしっこ出そうだからイヤッ!」と抵抗が激しい。「あそこにバイブがあるよ。当ててみな」と言ってみたが、「やってみたいと思うけど、怖い」だった。「パンティを見せてみな」と言うと、抵抗する。アダルトビデオに自ら応募し出演しておきながら、パンティすら見せたがらない女の子はそうそういない。

 

 彼女には、心でつながれる男優でなければ相手ができないだろうと僕は思った。そこでパートナーとして銀次をあてた。銀次が体に触れたとたん、美沙が悲鳴をあげる。でも、銀次は美沙の目を見つめたまま、視線をまったく外さない。銀次が股間を舐めはじめると、美沙は「ダメダメ、おしっこ出るから、ヤダ!」と叫ぶ。

 

 銀次が正常位で挿入してからも、相変わらず美沙は「おしっこ出る!」と叫んでいる。だが叫びつつも、頭がグーッと持ち上がってきて、銀次の首に腕が掛かる。すると銀次は「いいんだって、そんなこと。気にするな」と美沙の目を見ながらつぶやく。「かかるから、ヤダ!」とだだをこねても「じゃあ、出せよ。飲んでやるよ、オレが」と包み込むように言うのだった。「目を見てごらん」という銀次の言葉に、美沙が目を見る。「気持ちいいよなぁ」。「うん、気持ちいい」。

 

 終わったあと、銀次が「抜いてもいいかな?」と訊ねる。すると美沙はハニカミながら「じゃあ、握っててもいいですか?」と銀次の目を覗き込む。自分を表現することが大の苦手だった彼女が、自分の思いを照れながらも自然と口にできた瞬間だった。きっと銀次はうれしかったはずである。そして彼のそんな思いを、美沙もまた受け取ったに違いない。

 

 エピソードが長くなったが、目で見えるポイントとしては、正常位で美沙の頭がグーッと持ち上がってくるところだ。心がつながるセックスの場合、お互いが目を見つめ合い、顔が近づいていく。

 

 つまり、よいセックスとは性器の1点結合ではなく、性器と顔をいう2点が自然に近づく形になるのである。